
社会福祉法人徳充会は、1984年10月、能登地域で初めてとなる重度身体障害者更生援護施設(現・障害者支援施設)「青山彩光苑リハビリテーションセンター」の運営を目的として設立されました。以来40年、石川県や七尾市をはじめとする行政当局、そして地域の皆さまに支えられ、歩みを重ねてくることができました。この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。
創立以来、私たちは常に社会の変化と地域のニーズに応えるべく、障害者福祉に加えて高齢者福祉にも取り組みを広げてまいりました。1999年には特別養護老人ホーム「エレガンテなぎの浦」、軽費老人ホーム「アンジェリィなぎの浦」を開設し、その後も「もみの木苑」「ふれあいの里」、特別養護老人ホーム「エレガンテたつるはま」、障害者就業・生活支援センター「さいこうえん」などを順次展開。さらに「石川県精育園」の指定管理運営を担い、恵寿総合病院前には複合型高齢者施設「ローレルハイツ恵寿」を開設するなど、医療・介護・福祉を結ぶ多様なサービスを整備してまいりました。
振り返れば、この40年は日本社会における激動の時代でもありました。高度成長からバブル崩壊、そして少子高齢・人口減少社会へと移りゆくなかで、私たちは「障害があっても、高齢であっても、誰もがいきいきと暮らせる社会」を理念とし、人格と個性を尊重し合い、多様な価値観を認め合う共生社会の実現を目指してきました。けいじゅヘルスケアシステムの名のもとに、医療・介護・福祉を統合した“面倒見のいい”地域包括ヘルスケアを推進してきたのも、その志の表れであります。
しかし、令和6年1月1日、能登半島地震が私たちを襲いました。能登北部や七尾市内の施設は甚大な被害を受け、「エレガンテ田鶴浜」「ふれあいの里」を閉鎖し、「石川県精育園」では総員避難を決断せざるを得ませんでした。苦渋の選択ではありましたが、入所者の皆さまを守り抜き、グループ内でサービスを補完することで、住み慣れた地域での暮らしを守り通すことができました。この経験は、私たちに地域包括ケアの使命と責任をあらためて深く刻み込むものとなりました。
40周年を新たな節目として、私たち職員一同は力を合わせ、地域の復興に尽くすとともに、能登から日本へ、そして世界へと「あるべき福祉とお世話のかたち」を発信してまいります。
今後とも、皆さまの温かいご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。